寒田瑠花のライター生活を晒す場所(主に)。仕事用のアドレス作りました! kyoumo.kaeru@gmail.com 書きモノやライブへのお誘い、音楽談議など、何でも歓迎。四次元ポケットみたいなもんです。


by rukasoda

カテゴリ:シロウト映画・舞台( 14 )

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10日は、渋谷で大森立嗣監督『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』を観た。
ちなみにこの監督の前作『ゲルマニウムの夜』もレンタルで観たのだが
「暴力」の扱い方が非常に雑で、そこがとても笑えるなぁと思った。


※ここからはネタバレにもつながるので、嫌な方はUターン



わたしはラストシーンを迎えても、そこに何の救いもないような映画が好きらしい。
何の救いもない、だけど、何かを期待させる映画。

べつに捻くれてるわけじゃない。見え透いた「希望」にシラけるわけでもない。
ただ、何もない状況や絶望を目の当たりにしたときにこそ
自分の脳内に「希望」を感じる瞬間がある。
わたしはそれがイマジネーションの力――
人間が持つ、一番ポジティブな力だって思う。

この映画は、久しぶりに爪先まで冷たくなる場面がいくつもあった。
悲劇。と、呼ばれる類の薄暗さ。気持ちの悪さ。無力感。痛み。
これをそのまま「不快」と変換する人は多いかもしれない。
ただ、その不快感は、決して日常で感じる卑劣さや暴力性とはちがっているはずだ。

ケンタが何度も繰り返していた「ぶっ壊して抜け出す」って言葉。
結局はどういうことなんだろうって考える。
会社を荒らす。機材を盗む。車を鉄パイプで破壊する。車で逃げる。バイクを盗む。女の子を傷つける。親友を傷つける。知らない誰かを殴る。ムカつくヤツを殺す。
――結果、何かが変わるだろうか。世界がすこしはマシになるだろうか。

『HYSTERIC』の千原Jrはもういない。
無謀な疾走が、暴力が、救いにならない時代だ。
2010年にいるのは、果てのないトンネルの中、出口を信じてが無我夢中に走る
松田翔太と高良健吾、そしてそれを汗だくで追いかける安藤サクラの姿。

見てる側は、ストーリーが展開すればするほどに、悲しいほどにわかってくる。
最後に待ってるのが、出口なんかじゃないこと。世界がピクリとも変わらないこと。

それでも、その予想を大凡反芻しながらも、何かを覆すラストが待っている。
ココロの薄皮をめくられるような、自分自身の信念をためされるような映像。
この瞬間に向き合えたことで、わたしはこの映画を
自分の価値観にあてはめることができたのかもしれない。

出口があるなんて、ほんとうは思っちゃいけない。
未来は道の先にあるゴールではないから。
ただ、生の連鎖を放棄しないこと。
それだけが、未来を確保する唯一の手段なんだと思う。

悲劇がある。苦しみがある。だけどそれは、人間によって作られた絶望だ。
だから、人間によって壊すことができる。
――生きていく限りは。
その先に、同じような未来が続いていくとしても
絶望を受け入れるより、もがく様の方が、人間として正しいと思う。

この映画の世界は、残酷だけど、不感症じゃない。
だから、わたしはこの映画が好きなんだと思う。

ケンタとジュンとカヨちゃん。
あてはなく、はてしかなかったとしても
3人で生き続けていくことは、きっと楽しかったと思うな。



あ、ちなみに、この映画は脇役陣の演技がヨダレモノに秀逸です。
とくに宮﨑将(あおいちゃん兄)の演技、シビれた!

**************************************

と、ここまででとりあえずは、7月前半戦ってことで。
次は15日以降のライブレポ挙げるゾー。



今日のヘビロテBGM:オワリカラ『OWARIKARA 2009 DEMO CD 3rd』
初めてライブで「ロング・グッドバイ」聴いて鳥肌立った。
明日1st発売。期待、否、ダイキタイ。

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by rukasoda | 2010-08-02 22:56 | シロウト映画・舞台
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『ライブテープ』という映画は、前野健太というミュージシャンが
2009年の元旦、吉祥寺にて、ギター弾きひき唄い歩くさまを
ワンカットで収めた74分のドキュメンタリーだった。
と、説明してしまえば、こんなにもシンプルな言葉でこと足りる。

だけど、秀逸なドキュメンタリーにとって「説明」なんてものは、ほとんど意味を持たない。
その一瞬でしか捉えることのできなかった映像――
そこに映り込む無数の、無言の情報群こそが、真実たり得るものになるから。

もっとうまいこと言い表すために、ドキュメンタリーを自分判断で2種類に分けてみる。

死んだ風景を写したがるもの/生きた風景を写してしまうもの

前者は撮影する人間の意図が色濃いため、風景の新鮮味が失われがちになる。
このとき風景は、ほとんど舞台のセットと同じ役割。
ある「物語」の中の、決められたポジションで映し出される。

後者は撮影する人間の無責任がたまたま映す映像。
風景であるはずのものが、人間のような気まぐれさを持ったまま映り込む。
このとき風景は、観る人間の受け取り方によって意味が大きく変わるような
無限の「情報」となる。

わたしは後者の、その瞬間誰もが目撃者になれるような風景が好きだ。
自分の目で見定めなければ何も始まらないような、無意味であるがゆえに人を誘発する映像。
『ライブテープ』に映画としての意図があるとすれば、こっちだと思う。

音以外の編集がされていないその映像には
その時間を生きた街と、その真っ只中に居て、目撃していた人間の姿が
克明に――あるときはどんな物語よりもうつくしく――写し出されている。

すれ違う無数の人々、映り込む建物、歩く道、起こる現象、質感、光、距離、声、音、残像――
その膨大な情報を、わたしは一生かかっても言葉にすることはできない。
だけど、この映画を観ることで、そこに居た人々の何倍も
「2009年の元旦、吉祥寺」を見つけることができる。

風景は発見される。おそらくこの映画の場合、それは個々の想像に委ねられている。
だから多くの人が見るべきなんだ。
観て、よくわからない気持ちになって、口を噤んでは考え込んで。
繰り返し脳ミソの敏感な部分を酷使して、霞むようなコタエを発見すればいい。

わたしはそうこうしているうちに「愛」という言葉の大きな欠落感を
すこしだけ埋められそうな感覚を持ったけど。
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by rukasoda | 2010-05-13 14:25 | シロウト映画・舞台

日曜から今日

口角が、予兆もなしに裂けてビックリした。
記憶に残っている限りだけど、おそらく初体験だったので(笑)


こないだの日曜のこと。
大学時代のサークル仲間たち(上京組)と中野で新年会。
初めて歩いたけど、とてもゴタゴタしたいい街だった。
久しぶりに「鳥貴族」へ。大学のときは定番スポットだったなぁ。
たらふく飲み食いして、一人3,000円はさすがです!


最近観た映画のこと。
園子温原案・脚本・監督 『愛のむきだし』
上下巻に分かれた全編は237分――
とりあえず、映画館で観なくてよかった(笑)

言いたいことややりたいことはめちゃくちゃ単純。
だけど、そこに辿り着かせるまでに、あらゆるサブカルチックな情報や趣向
人間性などを、力技的にねじ込んでくる。
はっきり言って非常に観にくい映画だと思います。
ただ、その観にくさにこそパワーを感じる映画でもある。
うーん、だから、銀杏BOYZみたい。主題歌・挿入歌はゆらゆら帝国だけど。

ステファン・エリオット監督 『プリシラ』
これはドラァグ・クイーンの3人組が主役のロードムービー。
おすぎさんが観ろって書いてたから(笑)

とにかくおっさんたちの衣装やメイクが奇抜!
それをオーストラリアの大自然の中に並べてしまう心意気もいい。
こういうの、日本人には絶対にないダイナミックな感性ですよね。
あとオカマジョーク。毒と棘とインテリジェンス。
恥を怖れず強く生きる人たちの口から洩れる、濃厚な皮肉が昔っから好き。

オムニバス映画の『TOKYO!』はあんまりだったな。
カラックスに期待しすぎた。


そして、今日はバイト帰りに図書館で国木田独歩の「武蔵野」を読んできた。
金曜に行く、いとう先生×奥泉先生「文芸漫談」でやるため、予習。
正直ちょっと眠たくなった(笑)
さてさて、舞台ではどんな切り口になるのやら…
久々に言語感覚が研ぎ澄まされそうで、非常に楽しみです

その前に、おとぎ話とSuiseiNoboAzの新譜を買わなきゃダゼ!

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写真は「文芸漫談」チケットと夕飯の和風カレーのツーショット。
カボチャとチンゲンサイと白菜をブチ込んでみました!
うまし!



今日のヘビロテBGM:小沢健二『犬は吠えるがキャラバンは進む』
祝・復活! 今のこの時代に、この人が音楽でどんなアクションをするのか。
待ってた人、多いのかな。チケット取れないだろうなぁ。

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by rukasoda | 2010-01-21 03:04 | シロウト映画・舞台
いやぁ、まいりました。
こんなにもガッチリと齧り付いて観たのは久しぶりかも。

キム・ギドク原案・製作。
チャン・フン監督 『映画は映画だ』――


フィクション/ノンフィクションがまるでセックスをするかのように
絡み合って、互いを確かめ合っているようなストーリーに
ひとり、画面の前で大興奮してしまった…(笑)


共演者を病院送りにしてしまうほど暴力的なヤサグレ俳優“スタ”と
役者志望の過去を持ちながらヤクザとしての道を生きる“ガンペ”。
2つの相反する存在が、アクション映画の撮影中だけ世界を共有し
互いに影響し合う様を描いているこの作品。

まず設定だけを聞いたなら、コメディでしょ?
と考えるのが普通だと思う。
だって、俳優業をこなすヤクザなんてねぇ
「どんなかわいらしいヤクザさんなの?」ってかんじでしょう。
そう、この映画は、設定そのものがとんでもなく非現実的なんだよね。
なのに、不思議と観てても全然シラけない。

というか、その非現実感こそが「映画」の担うべき役割だ
ということを重々に理解した上で
その役割の中でできる精一杯の「リアリティー」を描き出そうとしているところが
この映画のすごいとこなんだと思う。

そもそも「俳優」というものは、映画と手を組んで
フィクション(虚構)を作り出すことを生業としている人を指す。
でも、そこには矛盾があって
その演じている人自体(所謂“中の人”)は、現実に存在し、個として生きている。
一方「ヤクザ」は現実に存在する生業なんだけど
映画の中では常にキャラ(虚構の人間)として作られているもの。

この映画の中で、前者はそのプライベート――つまり、現実の日常を晒し
後者はその演技――つまり、監督が求めるアクション映画的キャラに従事する。

俳優は虚構から現実へ、ヤクザは現実から虚構へ。
それぞれが揺れ動いていくことで、「人間味」というリアリティーが勝手に浮き彫りになる
という仕掛け。

ここに、作り手の「映画」への真摯な愛が込められているんだとわたしは思う。

日常と非日常の逆流によって作られる2人の対峙的関係――
これまで映画の中で徹底的にファンタジー(非現実的で、距離のある存在)だった
「ヤクザ(ギャング)」という「役割」を、愛すべき「役者」にまで仕立て上げながら
さらに、これまで映画的共犯者だった「俳優(スター)」を脚本的「役割」として扱うことで
映画そのものの世界観をより強固なものとして作り上げる。

この二重のカウンター的手法によって、俳優とヤクザは「役者」として
映画の中の一個人になれていたんだと思う。
ラスト、そんな2人の役者が「個」をかけてガチンコで殴り合う姿は
ほんとうに息を呑んだ。

そして最初からある最大の仕掛け――
あくまでこれはすべてが映画の中の「設定」にすぎないという事実。
その世界そのものが、虚構であるという事実が
また重ねて映画ファンの胸を切なく昂らせてやまないんじゃないかな。

フィクション/ノンフィクションの間にある隔たり「/」を消すことを
目的としているんじゃない。
むしろ、その隔たりでこそ世界を構築している「映画」という存在の意義を
作り手が充分にわかっていて、愛しているからできる業なんでしょう。
そんで、その業こそが、人に夢を見させてくれる映画の魅力なんだとわたしは思う。
だから、この映画には共感しっぱなしだった。

わたしはフィクションである映画の、その登場人物に対して
「そうだよね、それが現実だよね…」などと諭されることが頻繁にある(笑)
すくなくともその瞬間、わたしの中の「/」はまったく機能していない。
これが映画の持つおそろしくもすばらしい、ファンタジーの力でしょう!


まだ観てない方。
まぁこの文章を読んだところで観る気にはなれないかもしらんけど
試写会での人気も1位だったらしいので、おもしろさはお墨付きです。
騙されたと思って観てみて!


あと、これはただの垂れ流しですが…
ギャング役のソ・ジソブが普通にタイプやった(ミーハーで申し訳ない…)。
ダーティーヒーロー好きは必ずハートを奪われるでしょう。
映画自体を純粋に観たかったわたしにとっては
若干邪魔でさえある色気と魅力だったけど(笑)



今日のヘビロテBGM:在日ファンク『ZAINICHI FUNK』
唄うハマケン、文句なしでかっこえー!
日本語はアクセントでいじってやればいくらでもおもしろくなる。
唄う方は大変でしょうが、聴く方はとっても興奮できますね(笑)

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by rukasoda | 2010-01-14 02:17 | シロウト映画・舞台

遅ればせながらの

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あけましておめでとうございます~。
また一からのスタートです。
本年も何卒よろしくお願いいたします。
写真は京都の白味噌を使ったお雑煮です。三が日は餅食べまくったよ。


大晦日から3連休をいただいて、すっかり年末&お正月番組の餌食になってしまったのだった…(笑)
それにしても最近のお笑い、短いネタブームはもういらない気がする。
やるならトーナメントとかにしないと、緩みすぎちゃってて見る気にならないもん。
やっぱりお笑いは「おもしろすぎて怖い!」って思わせてほしいよ!

今年のM-1の笑い飯には脱帽だったな。
もう一本目のネタなんか、あれだけ見たら勝負にならないくらい
軽やかにズバ抜けてた。
あとのグダグダネタも、あのしつこさ全然好きじゃないけど
M-1でやっちゃうことで笑いが生まれ変わってたもんね。そこがすごいよね。
「ショーレース」という世界からあんだけ軽々と脱却できてしまう彼らを観てしまったら
もうエンターテイメントは嫉妬するしかないでしょう!
お笑い見て久々に鳥肌立ったもん。

個人的にはパンクブーブーが広く知られて、ただ単にうれしかったけど(笑)
トータルテンボスみたいに、ちゃんとテレビに映れるといいなぁ。


話は変わって、お正月は“遅れてきた2009映画観賞会”ということで

ダニー・ボイル監督 『スラムドッグ$ミリオネア』
クリント・イーストウッド 『グラントリノ』


を続けざまに鑑賞。

「スラムドッグ~」はとにかく疾走感がすごいね。
当たり前のような顔をして襲いかかってくる事件、残酷な出来事の中を
ただただ脇目も振らずに疾走していく登場人物たち。
正直、日本で生きてこんな風に屁理屈を垂れ流してる人間には
目を伏せたくなるような場面と設定ばかりだったけど
それでもコメディのように笑ったり、ドラマのように涙を流したり
青春モノのように恥ずかしくなったりできたのは
登場人物たちが担っている役柄のマンガっぽさというか
「ベタさ」のおかげだったと思う。
実直さで映画の展開自体を引っぱってくれたから、すんなり観れてしまった。


これはどっちの作品にも言えるけど、社会的な問題をテーゼとしていながら
その問題にものすごくスマートに、素直に向き合っているところがすごいなぁと思う。
シビアなことも平気でキャッチーな展開に乗せちゃうパワーと心意気。
エミール・クストリッツァ… はちょっと言い過ぎかもしれないけど
作り手の熱量がそのまま作品にあらわれてんだなぁ、と思った。


「グラントリノ」を観ている間は、何かずっと
アナログフィッシュの新曲「平行」が頭の片隅で流れてた。

人と人との関係は、矛盾したままの平行線を続けているということ。
人種の違い、言葉の違い、性別の違い、生活の違い――
それが「隔絶」という弊害にもなり、それが「和解」という接点をも生むということ。

今の社会は隔絶に慣れすぎてる。その方が楽だと思っている。
でもほんとうは、和解こそ人間に必要な安らぎだと思う。
この場合、わたしの中での区別は
楽はあきらめからくる感覚。安らぎは、信頼して初めて得られる感覚。
どっちが「関係」を構築できるかってこと、なんだけど。

観てて、そんなこと考えた。
まぁむずかしく考えずともおのずと導き出すことができる答えなんだと
信じてるけどね。
ただ、こうやって問題を提示してくれる作品があるからこそ
「わかってはいるけどイマイチ理解できない」みたいな
ちょっと油断すると通り過ぎかねないたくさんの出来事を
整理していけるんだと思うんだよね。

やっぱり映画観よう。


そして今日はもう少し書きたい。
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by rukasoda | 2010-01-06 15:40 | シロウト映画・舞台

真面目

先日作ったシチューの残り物たちを処理すべく
真面目に料理をしてしまった…! しかも連日で…!
めずらしいので記念に撮影してました(笑)
みなさんもよろしければ参考にドウゾ。

残り物レシピ1
鶏肉&カボチャ&タマネギで…唐揚げ、カボチャとタマネギの味噌汁
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残り物レシピ2
カボチャ&ジャガイモ&タマネギで…コロッケ
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残り物レシピ3
タマネギ&牛乳&コロッケで使った挽き肉の残りで…ハンバーグ
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明日がわたしの誕生日ということで
バイト先(イタリアンレストラン)の先輩(ソムリエさん)からワインをいただく。
ワインのことは全然わからないけど、この方におすすめしてもらったものは必ずおいしいので
開けるのが楽しみ!

それに、週明けには主任からケーキをいただく予定。
この間テレビで観てからずっと恋い焦がれている
フジヤのロールケーキ(でっかいミルキーの包装紙で包んであるやつ)!
あぁ~これまた楽しみ。
でも… あれを一人で食べきる自信がないんだよねぇ(笑)


そういや先日、イーストウッドの『チェンジリング』を観た。
いや、「そういや」なんて言っていいレベルじゃないですね。すごかった。
わたしはこの巨匠の作品を多く観ている人間じゃないから、あらゆる面での魅力を語ることはできない。
だけど、この作品ひとつとっても、そこには充分納得いく魅力が詰まっていた。

一番すごいと思ったのが、もはや分裂症かと思われる程に散布する問題意識。
警察という機関に対する疑惑、健全者と患者の境目、死刑によって永遠に失われる答え、弱者や単独者への軽視・抑圧・暴力…
その中で輝く正義や、たったひとつの強靭な精神――人間への希望。
また、「町」がそのまま社会組織となりえたこの時代の、市民の自治力。結束力。

これら諸問題の網羅の仕方が、尋常じゃない。働き者すぎる。
魂が誠実としか言いようがないんですよね。

とくに精神病院での女性たちの描き方は、壮絶だった。
大好きなあの名作『テルマ&ルイーズ』の美しさと気高さがそこにはあった。
もう涙涙。わたしにもいつか絶対、臆することなく母親になる日が来るだろう。
――そんな根拠のない自信すら湧いてくるほどに。

とにかくおすすめです。観てない方は是非!

って、書いてる間に誕生日になっちゃったよ(笑)
自分はぴばすでー!



今日のヘビロテBGM:The ピーズ『とどめをハデにくれ』
これは間違いなく世紀の名盤。はるさんの歌は歌という概念から見ても世界一だと思う。
誕生日には「シニタイヤツハシネ~born to die」を大音量で聴きたい!

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by rukasoda | 2009-11-28 00:20 | シロウト映画・舞台

橋口亮輔監督がいい

年末に向けて人様の気配がバタバタしてきましたね~。
この時期は感傷的な自分に振り回されるんだよなぁ… あぁ、自己処理が一番めんどくさい(笑)


最近観た映画の感想を。

原正弘監督『OLDK』
マドンナ監督『ワンダーラスト』
橋口亮輔監督『ハッシュ!』


どれもいわゆる人間模様を描いた映画だけど
三者三様といいますか、同じ素材をいろんな調理法で食べたような気分。

原監督は内田けんじ監督とかタナダユキ監督っぽかったかな。
もっと長くなるとどんなふうに撮るかはわからないけど。

マドンナはさすが! すごいかっこよかった~。
人間の内面にある臭味をオシャレで毒々しくコーティングさせてんだけど
たまにわざと剝して、ドロッとしたモノを見せたり。さみしさを煙みたいにまとわせたり。
何より女の子がエッチでかわいいんだ~。
あと、ジプシー音楽のアレンジがめちゃめちゃかっこよかった!
いわゆる音楽映画ではなく、ガッツリ映画界的な仕事してるわけでもなく…
このバランス感覚はダテじゃないってかんじです。

そして、橋口監督。
ガス・ヴァンサント好きのわたしが、好きにならないはずはない!
『ぐるりのこと。』を観たとき、いろいろな衝撃を受けた。
それは簡単に説明できるもんではないが…
この監督は、映画における「時間」と「人」をとても丁寧にゆるやかに描く。
長回しはモチロン、セリフの繋がり方、役者さんの体に沁み込んだ役柄、その場の空気の伝え方など
作品全体における間の取り方が、とにかく絶妙。
だから役者さんをじっくり感じられるし、ストーリーがどう展開しようが、こちらも溶け込める安心感がある。

ぶっ飛んだ人間を“異種”として笑いに変えるんではなく、真剣なままさらすことによって
泣き笑いのような感情をこちらに湧きあがらせる。それが不思議とやさしい。
そういやジョナサン・カウエットの『ターネーション』を観たときも、こんな気分だった気がする。

あと、わたしは今まで全然興味がなかったけど、『ハッシュ!』の田辺誠一はほんとうに魅力的です!
(粗雑な加瀬亮にも、何気にモエます(笑))
この監督もたしかゲイなんじゃなかったっけ…?
男を魅力的に見せられる男っていいな~。女もまたしかり。


ん、何かうまくまとめる気がなくなってきたな…(笑)
まぁ、どれも是非観てほしい映画です!



今日のヘビロテBGM:EMIR KUSTURICA&THE NO SMOKING ORCHESTRA『UNZA UNZA TIME』
ジプシーといえばこの人たち。『SUPER8』は必見です!
日本で定期的にライブしてくんないかしら…。

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by rukasoda | 2009-11-12 01:19 | シロウト映画・舞台

日曜の午後だ

ワイドショーはいつまでドラッグの話を続けるつもりなんだろう。ダントツでおもしろくない話題なのに…! だってわからんでしょ、やったことない人には。

たとえば、お笑い芸人がドラッグやってたらつまらないよね。
狂気に片足突っ込んだような芸人がさ、実はほんとに狂った頭でネタ作ってたら、バカバカしいじゃない! 笑えないじゃない!
そんなもんだよね、ドラッグって。過度な期待はいらないと思う。

最近は借りてきた映画たくさん観てます。
TSUTAYA新宿店は偉大です(笑)

『暴力脱獄』
『雷魚』
『爆裂都市』
『KING OF COMEDY』

などなど…
どれも繊細で、トチ狂ってて、笑える映画。

テンポよく都合よく進むフィクションに慣れてしまったら、現実のスピードや悲惨さに耐えられなくなる。
だから流行りのドラマやタレントしか出ていないテレビ番組ばかり観てちゃいけない。あれは台本や筋書きのとおりにコトが進むようにできてるんだから。

昔の映画、売れない映画… わたしは探してでも観る。お金払って観る。
そこにおもしろいモノ、知らないモノが映っているのを知ってるから。

ドラッグなんかよりずっと恐ろしいモノ、いかがわしいモノ――「人間味」という狂気
人間は、生きてるだけで変なことをする生物だ。
「今日コレをしよう」と思っていても、結局しなかったりする。
逆に「急にコレがしたくなった」といって、突拍子もないことをしたりもする。
ちょっとトチ狂ってるくらいが人間として丁度いい。わざわざ狂いきる必要なんてない。

昔の映画、売れない映画には、遠まわしにこういう人間味を撮ったモノが多い。
そういう映画には、そういうモノを撮ろうとする人間のパワーが溢れている。
それを目の当たりにしたときの方が、ドラッグでラリった人間を目の前にするよりずっと怖い。そして、悲しくも笑えるんだな。

芸人と一緒。フツウだからこそすごいし、怖いんだよ。

うーん、久々にブログ書いたらワケのわからない内容になってしまいましたな…(笑)
なんか日曜の午後、TV見てたらドロドロしてきた。空が曇りなので余計に。

とりあえず長谷井宏紀監督の『GODOG』が観たいです!
エミール・クストリッツァが主催するクステンドルフ映画祭でグランプリに輝いたというシロモノ。
早く日本でも公開すればいいのに。



今日のヘビロテBGM:真心ブラザーズ『あさっての方向』
これまたトチ狂った歌詞がたくさん。
「赤いラジカセ」は映画化希望します(笑)
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by rukasoda | 2009-10-25 16:18 | シロウト映画・舞台
バタバタとした連休を過ごし、ダラダラとした日常を取り戻していました。
どうも、寒田です。

連休は伊豆に遊びに行き、おばあちゃんに会ってきました。
人生で一番うまいお寿司を食べさせてもらいましたね。醤油なんて全然いらないの。
まぁ実のところ、ちっさい頃から食べてるとこなんだけど…
やっぱりチビにはわかんないもんなんですね、このうまさが。いやーもったいない。

3日間でいろんなとこ遊びに行ったけど、どこも昔行ったとこばっか。
なのにあんまり記憶になくて、でも知っている場所っていうのは感覚としてあって。
その感じがおもしろかった。
どこもいっぱいで駐車するのが大変でしたけど。

温泉で久々に脚伸ばしてお湯につかれたのは、ほんとしあわせでした。

それにしても、もっとおばあちゃん孝行しなきゃですね。
久しぶりに会ったけど、すいぶん痩せたし、すこし背中も曲がってきている気がした。
ずっと歳よりも若くて元気な人だったけど、やっぱいつかは小さくなるもんなんだってわかった。
もっと楽しませて、安心させてあげなきゃ。


で、東京に帰って次の日は、再び浅草へ。
いとう先生総合プロデュースの【したまちコメディ映画祭 in 台東】へ。

韓国映画
『タチマワ・リー~悪人よ 地獄行き急行列車に乗れ』
『昼間から呑む』

を鑑賞。

どちらも秀逸な、映画の魅力を最大限に引き出す作品。
とくに『昼間から呑む』は山下敦弘監督『リアリズムの宿』以来の衝撃。
総製作費100万円というところもおそろしい…!

しかしほんとうにおそろしいのは、この2つの映画のどちらもが、配給元(買い手)が決まっていないということ。
つまり、もう日本で観られる機会はないかもしれない(いとう先生の話では、8割方そうなるらしい)。

信じられない!
こんな、政治的にも法律的にも何の問題もなく、“笑い”という面で非常にすぐれていて、単純に映画として高いクオリティを持った作品が、制作国のおとなりの国で上映されないなんて…
もはや恥ずかしいじゃないか、日本映画ビジネスよ!
韓国にどんだけ儲けさせてもらってるよ? 多少利益が出なくたっていいじゃん! 刺激的な国際交流しようぜ!
ってなかんじにもなるわ。

まぁ、まだわからないので何ともですが、とにかくわたしこれだけは言いたい。
わたしの今年のナンバーワン映画(今のところ)を、おすすめさせろ。
観れないんじゃ人にすすめられん。



今日のヘビロテBGM:Qomolangma Tomato『camouflage』
ジャケットが変態だな。でもなんだかんだでファーストからすべて購入しているバンド。
ライブ行きたいぜ! しんどそうやけど。
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by rukasoda | 2009-09-28 23:55 | シロウト映画・舞台
おつかれさまです。
っていうことばを頭に付けるのがクセみたいになってきてイヤだわ。
できれば「ただいま」と言って許されたいです。ただいま。

13日の日曜日は浅草にて【吾妻橋ダンスクロッシング】に行って参りましたよ。
いとう先生feat.康本雅子さんによる、ポエトリー・リーディング×ダンスのコラボ。
もはや何に息をのんでいいのかわからないくらい、“人の存在”そのものの迫力にやられた。
始まりは七尾旅人の『911 Fantasia』を思わせるようなものだったけど、終盤はやっぱり怒涛の声、声の応酬、声の滝壺――響いて、震わせて、充満していた。
康本さんのダンス初めて観たが、これまた怒涛の身体性。あんな繊細なのに、なんであんな強引にできるんだろうか。
どちらも「人間」を越える「声」と「体」で、それが音楽の遠心力によって何倍も広がっていくような、そんな時間でした。めちゃめちゃ内臓にきた!
またYouTubeにアップされるやもです。要チェック!

他の出演者の方々もよかったです。
contact Gonzoは本物が観れてかなり感激でした。めちゃくちゃかっこいい。表現方法としてわかりやすく、簡単(やるほうは絶対大変だけど)で、しかもおもしろい。笑える。
わたしなんかはプロレスに近い感覚で観てしまうのですが… 身体的芸術としても充分通用するのでは?
その他にも、快快[faifai]鉄割アルバトロスケット、それに休憩中流れてたChim↑Pomの映像…
バカバカしくて最高だったな。やっぱわたし、笑えるのが好きだ。

そういや今回一番前で観ていたので、何だかいろんなもんが飛んできましたよ。
ボール、汗、唾、体臭、団扇による強風、ジャークチキン臭の熱風、そして味噌…(かばんに付いた!笑)
東京で初めての舞台鑑賞だったんですけど、すごい楽しかったです。
いやはや、また足を運ぶ場所が増えました~。

それにしても、康本さん顔がちょうちっさくて、ちょうスタイルよくて、今までに見た二次元のキャラのどれより全然かわいかったですよ。人間に対してかわいさが凄まじいと思ったのは初めてでした。そういう意味でも人間越え!
あと、浅草は初めて行ったのですが、京都の四条に少し似ていましたね~。
まぁ、違うところはやはり高層ビルやマンション、高速などがエラソーなところですかね。
雷門とか、急に現れるかんじもおもしろかったです(笑)


今日のヘビロテBGM:いとうせいこう『OLEDESM』
やっぱり相当新しくておもしろいんだよね。「いうこときくな」とか大好き!
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by rukasoda | 2009-09-15 01:18 | シロウト映画・舞台